4.今月のオススメ図書 今月は、記憶に障害があるという内容の本をピックアップしてみました。 いずれも田中が過去に読んだ本のなかから選んだものですが、このほかにお勧めの著書があれば、教えてください。お待ちしております。 タイトルには番号がついておりますので、番号でリクエストして下さっても大丈夫です。 @ 明日の記憶 荻原浩《おぎわらひろし》著 内容 家庭も省みず仕事に生きる、49歳の広告代理店のやり手営業マン・佐伯雅行。仕事においては大きなクライアントとの契約が決まり、プライベートでも娘の結婚が決まるなど、順風満帆に見えた彼だが、突如物忘れが激しくなり、めまいや幻覚といった不可解な体調不良が襲う。 妻の枝実子に促され、渋々忙しい仕事の合間を縫って病院を訪れ診察を受けた結果、医師から若年性アルツハイマー病という診断を下される。知らないうちに自分の体内で起こっていた受け止めがたい現実に直面した彼は、錯乱し自暴自棄になり、病院の屋上から飛び降りようとするが、医師の必死の説得により何とか思いとどまる。 そして、屋上から階下へ戻る階段の途中で座り込み、枝実子と話し合い、2人は涙を流しながらも病気と向き合う覚悟を決める。 A 博士の愛した数式 小川洋子著 内容 家政婦紹介組合から「私」が派遣された先は、80分しか記憶が持たない元数学者「博士」の家だった。こよなく数学を愛し、他に全く興味を示さない博士に、「私」は少なからず困惑する。ある日、「私」に10歳の息子がいることを知った博士は、幼い子供が独りぼっちで母親の帰りを待っていることを居たたまれなく思い、次の日からは息子を連れてくるようにと言う。次の日連れてきた「私」の息子の頭を撫でながら、博士は彼を「ルート」と名付け、その日から3人の日々は温かさに満ちたものに変わってゆく。さまざまなトラブルを乗り越えながら月日がたつうちに、博士の記憶時間は短くなり始めてしまい、ついに施設に入れられることになる。『私』とルートはその施設に通い続けるが、ルートが二十二歳のときに博士が死ぬことでこの話は終わる。 B 私の頭の中の消しゴム 木村元子著 内容 私の頭の中には、消しゴムがある。かけがえのない、すべての記憶がなくなっていく。大切な思い出も、大好きなあなたの名前も、その顔も、すべて失ってしまうー。二八才のOLの私は、建築士を目指す彼と出会い、幸せな日々を過ごしていた。やがてふたりは、結婚。しかし、そんな時間は長くは続かなかった。アルツハイマー。医師から告げられた病名は、想像もつかないものだった…。 C 奇跡の人 真保裕一著 内容 31歳の相馬克己は、交通事故で一度は脳死判定をされかかりながら命をとりとめ、他の入院患者から「奇跡の人」と呼ばれている。しかし彼は事故以前の記憶を全く失っていた。8年間のリハビリ生活を終えて退院し、亡き母の残した家にひとり帰った克己は、消えた過去を探す旅へと出る。そこで待ち受けていたのは残酷な事実だったのだが…。静かな感動を生む「自分探し」ミステリー。 D もう一度会いたい 小杉健治著 内容 ひきこもりの青年・白木悟史が出会った老人はアルツハイマー病に苦しんでいた。記憶が失われる前に会って謝りたい女がいる、という老人の最後の願いを、悟史は叶えてやる決意をするが…。世代を超えた「絆」が感動を生む物語。 E レベル7 宮部みゆき著 内容 レベル7まで行ったら戻れない─謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。ミステリー・サスペンスの最高峰、著者初期の傑作。 F 掟上今日子《おきてがみきょうこ》の備忘録 西尾維新著 内容 掟上今日子、またの名を、忘却探偵。すべてを一日で忘れてしまう彼女は、事件を(ほぼ)即日解決!あらゆる事件に巻き込まれ、常に犯人として疑われてしまう不遇の青年・隠館厄介《かくしだてやくすけ》は今日も叫ぶ。「探偵を呼ばせてください─!!」スピーディーな展開と、忘却の儚さ。果たして今日子さんは、事件の概要を忘れてしまう前に解決することができるのか? 忘却探偵シリーズとして13話あります。お問合せ下さい。