3.今月のオススメ図書
今月は、秋田県出身の直木賞作家、渡部喜恵子を紹介します。

渡辺 喜恵子（わたなべ きえこ、1913年（大正2年）11月6日−1997年（平成9年）8月8日）は日本の小説家。本名は木下喜惠子。
略歴　「ウィキペディア（Wikipedia）より」
秋田県仙北郡檜木内《ひのきない》村（後の西木村、現在の仙北市）生まれ。2歳の時、父・栗生沢《くりうざわ》米太郎が鷹巣町（現北秋田市）に木材工場を創業し転居する。能代高等女学校卒業後の1931年（昭和6年）に上京。1935年（昭和10年）、画学生・渡辺茂との結婚のため広島へ転地する。しかし、1939年（昭和14年）、25歳のときに夫が病死。1942年（昭和17年）、亡き夫のことを綴った短編小説集『いのちのあとさき』を刊行し創作活動に入る。1944年（昭和19年）春、母の故郷、岩手県二戸郡石切所村《いしきりどころむら》（後の福岡町、現二戸市）に疎開。
戦後、再上京、同人誌「明日」「三田文学」に拠って文学活動を行う。1959年（昭和34年）『馬淵川《まべちがわ》』で第41回直木賞受賞。『みちのく子供風土記』には幼少時の鷹巣のことなども記載されている。長編三部作『原生花園』のほかに、画家青木繁を描いた『海の幸』がある。
1983年（昭和58年）、「秋田の文学振興に役立ててほしい」との意向のもと、1千万円を秋田魁新報社に寄託。秋田魁新報社は翌1984年（昭和59年)、創刊110年を記念して1千万円を拠出、計2千万円で基金を設立して「さきがけ文学賞」を創設した。趣旨は「広く全国から新人作家を発掘し、秋田県内の文学創作活動の振興、ひいては芸術文化の向上に一助とする」というもの。1985年（昭和60年)に、秋田魁新報社は基金に1千万円を追加（基金総額3千万円）して財団法人「さきがけ文学賞渡辺喜恵子基金」を設立。2012年（平成24年)4月には公益財団法人に移行している。
貸出し可能なデイジー図書を6点ご紹介します。
申し込みは番号でも受け付けます。
�@馬淵川《まべちがわ》　第41回直木賞受賞
内容
福岡町（二戸市）を舞台に、盛岡藩御用商人の後妻になった士族の娘・さと子をヒロインに幕末から関東大震災まで、四代70年に及ぶ、みちのくの女たちの悲しい愛と死の物語。
�Aタンタラスの虹　（秋田県点字図書館音訳）
内容
刑務所内で生まれたハツは、米人宣教師ミス・ハリソンに引き取られ、ハワイへ移住。ハツは教師となり、現地人や日本人移民の子どもたちの教育に当たります。小説を記念した「秋田の赤い靴」の像が市立図書館明徳館前にあります。
�Bプルメリアの木陰に
内容
大正7年12月、船はあわただしく錨を揚げ、横浜港の岸壁を離れようとしていた。その船には、写真花嫁とよばれた若い女達が28人乗り込んでいた。ハワイ移民のもとへ嫁いだ女性を描く。
�C原生花園《げんせいかえん》　3巻セット
内容
北海道を中心に舞台を移しながら繰り広げる母娘の一生を描く。
1、夜明け
2、父と娘
3、海鳴り
�D湯治場風土記《とうじばふどき》　（秋田県点字図書館音訳）
内容
昭和47年に交通公社の「旅」の企画で取材したもので、平成3年に秋田新報社から復刻版として再発行になった。最初は旅のガイドであったが、あれから長い年月を経て、いまでは伝説的風土記となったしまった。（渡辺喜恵子談）
�E万灯火《まとび》
内容
舞台は北国の田舎の「芦原《あしはら》」という村。そこの長百姓《ちょうひゃくしょう》に嫁いできた女「信太《しだ》りん」の娘の「雪乃」と、りんの同郷から同じく大地主に（あとから）嫁いできた「一ノ関こま」を中心に、物語は展開していきます。