6.みんなの広場 皆様から投稿していただきました。 斎藤一三《かつみ》さんの投稿      作家養老孟司《ようろうたけし》のハプニング(養老孟司著 無思想) 私が本書を選んだ理由は特にないのである。たまたま目録を聴いてたら著者の名まえがでてきたのであり、この著者はテレビなどでは聴いてたのであるが、どんな著書があるのかは不明であった。 思想は墨字であればすぐにわかるのであるが、デイジー目録で初めて「無思想」と聞いたときには何なのか判断つかず「食べる物、それとも、飲み物」かとも思ったのである。  私はもともと思想などには全く関心はないのであり、せっかく取り寄せたのであるからと聞いてみたのであるが、まったくチンプンカンプンで、最後まで解らないのであり、思想など持たない私であるから何回聞いてもわからないのは当然である。  思想をもっていないのは私だけかと思ったら、なんと著者も無思想とのことであり、だからタイトルを無思想としたとのことである。 著者は医学卒業して医者となったのであるが、診察での人と話すことが苦手でとのことで、それで解剖に専念して40年(解剖学者)で退職したのであるが、退職後に何をしたらいいのかと悩んだ末に、もともと小説らしきものを書いてたので作家となったとのことである。 著者の「じっくり観察する」ことについて、幼い頃に「母親から頭がおかしい子」といわれてたようである。著者の母親は開業医であり、往診に出かけるときに著者が玄関前で、犬のフンをみてたのであるが、母親が往診から帰ってきても、まだ犬のフンをジットみてたのであり、母親からすれば口数少なく、おまけに犬のフンを何時間もみてるので頭がおかしい子として精神科医に診察に連れていかれたのであるが、診察の結果はどこも悪くないとのことであった。しかし著者の言い分は「なにも犬のフンに興味があったのではなく、フンに集まってきてたアリの動きに興味があり何時間見ててもあきなかった。」とのことである。 本書にも書かれているが、思想の持ち方には民族によっても差があるとのことであり、日本人は思想の持ち方が弱いとのことであるが、中国人や朝鮮人は思想が非常に強いとのことであり、特に近年の韓国人の、瞬間湯沸器のように、すぐに奇声をあげて日本製品のボイコットなどの反日運動に走る行動をニュースなどをみてると腹ただしさを感じるのであるが、やはり明らかに思想が強いからとのことである。 なお室谷克実《むろたにかつみ》著の呆韓論《ぼうかんろん》では思想の強い韓国人について詳しく書かれており、これを聞くとなるほどと納得できるのである。おわり。 武田金三郎さんの投稿 エッセイ風自分史・三郎 その二十  山峡《さんきょう》の女性たち 武田 金三郎                                          担当区事務所と小学校の分校を含めて十八戸の小滝《こたき》集落なのに、若い女性はかなりいた。そうして彼女等はおしなべて美しいのだ。目が澄んでいて笑顔がいい。それで私は嬉しくもあり、居心地悪くもあって困った。 担当区事務所の両隣にも1人づついて、右隣の孝子《たかこ》は中学を出たばかり。やはり目が澄んでいて聡明な顔立ちをしている。私が赴任してから二人目の主任は女性にとり憑くのを生き甲斐にしているみたいな人間であった。 タカちゃんタカちゃんと彼女を見ると、涎を垂らさんばかりに声をかける。彼女だって嫌だろうに、それでもニッコリと微笑むのだ。これが礼儀だと心得ているのだろう。私の下宿にも礼子という中学を出たばかりの美人さんがいたのだが、彼女は鷹巣町の洋裁学校に入学して寄宿舎生活をしていた。 両隣にも若い女性がいて、右隣はふみ子、彼女と孝子、礼子の三人は中学まで一緒であった。左隣のC子は私と同年齢である。こちらはさして美人ではないものの、性格が開けっぴろげで物怖じしない。このC子、下宿して二年もしないころから遊びに来るようになっていた。 「武田さんいるが─!」 玄関で小母さんにこう尋ねている声が二階の私にストレートに届く。するとドタドタと階段を勢いよく踏みつけて上がって来るのだ。ドタドタは体格がいいせいもあるのだが。彼女はよくしゃべる。それも声が大きい。プラス少しせわしない。それに無用心というか無作法というか、しばしばゴロリと寝そべってしゃべるのである。 孝子もС子もふみ子も、彼女たちはスギ苗植栽などで担当区事務所に雇われることがある。彼女たちが最も美しく見えるのはこうした山仕事をしているときだ。額に汗止めのための手拭いをキリリと巻き、真っ白な頭巾を深く被るのは日焼け帽子のため。 当初、私は孝子やふみ子たちがスギ植栽に来るのをまともに見ることができなかった。可哀想とも憐憫とも、健気さをないまぜにした感情であった。彼女たちは一日のノルマ、百五十本のスギ苗を梱包した荷と唐鍬を担ぎ、這うように山道を上がっていく。山峡の女として生きていかなければならない現実への第一歩。私は切なくなる。 けれど彼女たちは二年目になると見違えるほどたくましく成長している。筋肉がついたとか日焼けしたではなく、表情や仕草からもはや少女性は探せなくなっているのだ。そうならざるを得ない彼女たち。これはこれで切ないことではあった。 С子が妊娠した、という噂が一気に広がった。真っ先に疑われたのが私であったが、これはもっとものことだ。第一、下宿先の家族皆がこぞってこうなっていたのだから。そうして相変わらずドタドタと私の部屋に来ていたのだから。 あんなに大きくなってしまったから堕胎できないだろう、と囁かれて間もなく、彼女の太鼓腹がぺしゃんこになった。相手は同じ集落の青年であることが判明したのはこの直後のこと。そうして間もなく彼女は集落から消えた。 ○皆様からの投稿について 「点字図書館だより」に、読んだ本の感想や、体験談、短歌・俳句など利用者の皆様からの投稿をお待ちしております。 お預かりした作品は、「点字図書館だより」内「みんなの広場」でご紹介させて頂きます。 (送付先) 〒011−0943 秋田市土崎港南3丁目2の58 秋田県点字図書館 (FAXを利用の場合は) 018−845−7772  (メールを利用の場合は) アドレス tenji@fukinoto.or.jp いずれも「みんなの広場」係まで お電話での聞き取りでも可能です。