5.おらがた あきてん ○おらがたかしだし 春です。この点図だよりが皆さんのお手元に届くころには、秋田市でも桜が咲いていることと思います。 点字図書館の周りには、八重桜の木があり、それはみごとに咲き誇ってくれます。 ただ、八重桜だけあって、満開はゴールデンウィークです。毎年、休館日が続きますので、一番咲き誇っている時期を見逃すことがあります。ゴールデンウィーク明けには、木に咲いている花より、地面に落ちている花弁《はなびら》のほうが多いのです。花弁《はなびら》のじゅうたんが広がり、一見きれいですが、掃除が大変です。雨なんか降られた日には、泣きたくなります。職員は、お向かいのおうちの庭までお邪魔して掃除することもあります。 花は、きれいですが、残念ながらいつかは姿を変えてしまうのですね。咲いているときは、ちやほやされて、散ればゴミ。まあ、私はちやほやされたことはありませんでしたけど、姿は変わってしまっているかも。 2月号、3月号と亡くなった作家のお話をしましたが、今月も作家の訃報(ふほう)です。 3月13日に内田康夫氏が亡くなりました。(83歳)  内田康夫氏と言えば、なんといっても「浅見光彦シリーズ」です。テレビ化もされており、当図書館の貸し出しも人気があります。 無職に近いルポライターで、検察庁《けんさつちょう》刑事局長の兄を持ち、母親には全く頭が上がらない浅見光彦が事件を推理します。ちょっとマザコンぎみの点が、私は好きです。 あえて、田中の独断と偏見で「浅見光彦シリーズ」の中から5タイトル選んでみました。 題して、浅見光彦フェアー。 第1位 鬼首《おにこうべ》殺人事件 作者の内田氏が戦中に疎開していた、旧雄勝町の秋の宮を舞台にしています。 第2位 後鳥羽伝説殺人事件 浅見光彦が初登場した作品。 第3位 秋田殺人事件 第三セクター「秋田杉美林《びりん》センター」の欠陥住宅問題と使徒不明金問題に揺れる秋田県が舞台です。覚えがある設定です。ドキドキしました。 第4位 他殺の効用 短編集。 第5位 棄霊島《きれいじま》(上、下) 秋田県点字図書館製作の長編。 以上5タイトル紹介しました。点字版、音訳版がたくさんあります。貸し出しまでお問い合わせください。   新年度がスタートしました。 貸し出しでは、より多くのご利用者が、気軽に簡単に幅広い利用が出来ることを一つの目標としています。 昨今出版される著書は、ほとんどが点訳、音訳されていますが、もし無い場合でも迅速に対処いたします。 基本的にお一人、3タイトル、貸し出し期間15日となっています。 皆さんそれぞれご事情があって、返却方法に難があったりする方も結構いらっしゃいます。返却が無い場合はお貸し出来ないときもありますが、そのような場合は、速やかにご連絡してくだされば、対応させていただきます。 また、「何か聴きたいが、作家やタイトルが言えないので貸してもらうのに躊躇してしまう。」という方がおられます。でも、とりあえず貸し出しに連絡してくだされば、お話を伺いながら、何がいいか一緒に考えたり、図書をお勧めしております。 ご利用者の皆さん一人一人のご事情を考慮し、幅広いご利用をしていただくにはどのようにしたらよいのか、皆さまのご意見も伺いながら、貸し出し業務の在り方を考えたいと思います。 貸出担当 田中