4.みんなの広場 ○秋田市の浅井成雄《あさいしげお》さんより投稿いただきました。 「堪らネーこの小説」 秋田酒衣《さけごろも》76   浅井《あさい》 成雄《しげお》 昨年7月から9月までNHKのカルチャーラジオで「国語辞典の行方」と題したシリーズがあった。番組紹介が目的ではないから先を急ぐと、国語辞典はいずれ電子版が主流だが待てよというのが講座の主張だ。 放送の中で三浦しをん著「舟を編む」の名が挙がった。図書館に尋ねると即座に答が返ってきた。映画化もされたと貸出さんは先刻ご承知。本屋大賞も受賞したいう。デイジーを借りた。 この作品は辞書編纂の苦労を描いている。辞書をコトバの海に漕ぎ出す舟に喩えた題名だ。ちょっと凝りすぎだな。作中絡ませた3組の恋騒動もなにか付け足しの気がする。マアこういった小説だが私には堪らないのだ。 主人公の馬締《まじめ》は出版社で国語辞典を担当する。彼の仕事を追ってみよう。 辞書つくりはコトバつまり語彙と用法集めに始まる。日頃目にし耳にするコトバで気付きあったら何でもカードにする。その枚数は百万にも届くという。 学生時代ある雑誌に「言葉のくずかご」という頁《ページ》があって、若者語や流行語など初めて世に出たコトバが並んだ。今どきダサくてすたれたナウいはその一例である。 集まったコトバのどれを載せるかは辞書の性格を決める大事な作業だと分かる。この辺の様子は前に読んだデイジー、国語学者大野晋著「孤高」に詳しい。 我が馬締《まじめ》くんは言語学専攻だからうってつけだ。コトバの素養が求められる。 次はコトバの命となる説明、つまり語釈と用例を付ける。ここは前述のラジオ講座を利用させていただこう。 よく使う「もちろん」についてである。男女の会話。「俺を好きかい」「もちろんあなたのことは好きよ。」この場合女の言外《げんがい》には「でも結婚はイヤよ」とかの思いがある。うしろに逆説が続くことを示唆する「もちろん」である。(8月24日放送。)辞書は限られたスペースにこの説明も記述しなければならない。 仕上がった原稿は印刷へ回る。ヤレヤレではない。校正と並行して、用紙選び、活字インクのテスト等、技術的な問題が検討される。最後に製本を経て一冊の辞書が陽の目を見る。馬締《まじめ》は頑張った。 本書が扱った世界は少なからず私の関心事だ。勉強や会社で、そして今も興味は尽きない。ただ目がそれを許さず、過ぎし日の追憶にひたるだけとなってしまった。それでもコトバに対する感覚は失うまい。だから「舟を編む」は堪らない小説なのである。(おわり) なお、ラジオの講師が辞書にまつわるコラムを日点・文芸春秋に連載中なので参考までに。(以上) ○利用者のみなさんより、俳句の投稿いただきました。 ・鈴振れば 余韻短き 霜の宮  熊谷《くまがい》 幸二郎《こうじろう》 さん ・人肌の 燗に向き合う 炬燵かな  宇佐美《うさみ》 咲子《さきこ》 さん ○三種町《みたねちょう》の武田金三郎《たけだきんざぶろう》さんより投稿いただきました。 秋田県一短い小説・その十八 トイレットペーパーの効用 高橋みや子七十七歳。夜中いっぱい耳が病んでほとんど眠れなかった。風邪をひいて藤村内科医院から一週間分の薬の処方を受け、四日目で治ったと思っていたら今度は耳だ。風邪が引き金になったのだろう。またも臨時の出費がかさんでしまうが仕方ない。 近藤耳鼻咽喉科はつい二ヵ月ほど前に開業したばかり、車なら二十分ほどか。 そこに行ってみようと思う。受け付けが八時半だというので十五分前に着いた。 なのに待合室は学齢期前の幼児と母親たちによって占領されている。みや子は帰りに予定していたトイレを先に済ますことにした。 『ああこれはいいねえ。巻きが堅くって重いし、何かいい匂い』 彼女は用を足すために入ったのではなく、トイレットペーパーをせしめるためだ。予備が五つも置いてある。こんな所はめったにない。一つを手提げバックに入れる。一時間半ほど待ったあげく、診察は五,六分で済んだ。中耳から喉に通じている管が炎症を起こして塞がっているとか。やはり風邪の後遺症だという。それで藤村内科医院から処方された風邪薬を飲み続けるように、ということでここでの薬は処方されなかった。 帰りがけ、トイレットペーパーが五つも置いてあったことが心残りになり、また立ち寄って一つをせしめた。そこを出てから市の図書館で単行本一冊を借りた。けれど読むのが目的ではない。トイレットペーパーはここでは一個しかせしめることができない。それからスーパーとホームセンターに入ったものの買い物はしない。それで五個になった。 これが始まったのが五年前、彼女七十二歳、七十八歳の夫春一がアルツハイマー病を発症し、デイケアサービス施設に通所してからのことである。初めは一個せしめるのにさえビクついたものだが、このビクつきが先々への不安を紛れさせてくれるのであった。今では世の中の不条理へのささやかな抵抗気取りになっている。 夫春一は農業のかたわら土方仕事とか山林の下刈などで日銭を稼いでいたせいで国民年金しかかけていなかったし、みや子もパート仕事だけであったからこちらも同様である。それで蓄えは無きに等しい。 今年の夏、トタン屋根が赤く錆びついていると言われてペンキを塗った。それに十一万円かかった。去年はボイラーが壊れ、買い換えて十三万円かかった。 月に三千円そこそこのガソリン代もいたわしい。誰か早く水で走る車を発明してくれないものか。 その車、七年前に中古で買った軽トラもいよいよ寿命になりつつある。あれこれ先々を心配すると頭がクラクラしてくる。みや子はその日せしめたトイレットペーパー五つを持ち、長男が使っていた二階の四畳半の部屋に向かう。 ドアを開けると目を塞ぐ高さでトイレットペーパーが積まれているではないか。 「ワーイ。こんなに溜まっちゃったー!」 彼女の心は至福で満たされ、歓声を上げながらトイレットペーパーを積み上げていく。 ○レシピコーナー 最後に、ご利用者様からのご希望によりこのコーナーにて料理レシピをお届けします。 今月は、レンジで簡単!!レシピをご紹介します。 ○じゃがブロッコリーのツナマヨ塩昆布和え 10分でデリの味☆火を使わずレンジで時短調理?いつものポテトサラダ に飽きたら?レンジで加熱後調味料で和えるだけ? 【材料:(2人分)】 じゃがいも  250g ブロッコリー  1/4株 ツナ  1/2缶 塩昆布  5g マヨネーズ  20g ブラックペッパー  少々 【作り方】 @じゃがいもは皮をむき一口大に切り、ブロッコリーは小房に分ける。 A耐熱容器に入れ、ラップをかけ、600wの電子レンジで4分加熱する。(爪楊枝をじゃがいもに刺して通ればok) Bツナ、マヨネーズ、塩昆布、ブラックペッパーを入れ、じゃがいもを木ベラなどで軽く潰しながら全体を混ぜ合わせる。 【コツ、ポイント】 じゃがいもとブロッコリーを温めた際に出る水気は捨ててください。 じゃがいもは小さめの一口大、ブロッコリーは火が通りやすいため大き目にすると、じゃがいもと一緒にレンジにかけてもちょうど良いです。マヨネーズや塩昆布はお好みで増減して下さい。 ○エリンギ&ネギのみそバター風味 電子レンジレシピ。10分もあればできあがり♪ 材料:(2人分) エリンギ  2本 ねぎ  1本 酒  大さじ2 バター  大さじ2 白味噌(合わせ味噌でも可)  大さじ2 【作り方】 @エリンギ・ねぎは食べやすい大きさに切る。 Aバターを電子レンジで溶かしバターにする。 Bお皿に@のエリンギ・ねぎ・酒を入れ、ラップをして電子レンジで5分加熱する。 Cこの間に、Aのバターと味噌をよく混ぜる。 DCにBのエリンギ等を入れ混ぜてできあがり。 【コツ、ポイント】 白味噌は甘めなので、塩味がお好みのかたは、合わせ味噌で! 以上、「cook pad」掲載記事から抜粋しました。 他に何か、ご希望・ご意見がありましたら、お知らせください。 お待ちしております。