4. みんなの広場 ○秋田市の浅井成雄《あさいしげお》さんより投稿いただきました。 「一七年七月の七十」 浅井成雄《あさいしげお》 数えてみたらこの投稿コラム「秋田再生」は今月で掲載が七十回目になる。六年前の一一年八月号が第一回で途中二回休んだから丁度その計算になり続いた。 よく「継続は力なり」とかで続けるには努力を要すとされるが、そんな気負いはない。好き勝手を書いてるうち七十の回が重なった。今年は憲法施行七十年の節目でもあるし…。 最後は関係ないかハハ。ン?待てよ、憲法七十才ということは同じ昭和二十二年だから・・・ヤーダー、オレも、今年七十かよ。 ちょっと砕けてしまったが古来稀なる年令なのだ。尤も私の七十年は大したことない。一つ言えるのは、この年まで命を長らえていることである。 私は成人式までに中学・高校・大学と一人ずつ計三人の同級生を失くしている。そのときの親御さんの涙は忘れない。自分一人七十なんてウッソーと笑ったが、ここまで来られなかった同学年もいた。 さて、話が七十年の来し方まで拡がった。 世にある人生論を私は滅多に読まない。自身のそれを披歴する技量なんぞもとより持合せない。そこでこれまで心に留めてきた人生観的フレーズを紹介して座興の具に供したい。 母親は江戸っ娘《こ》で、いつも「何とか成る」が口癖だった。勿論やることをやっての話だ。と言ったとこで旧いギャグを思い出した。「成せば成る成さねば成らぬ何事も、ナセルはアラブの大統領」。やがて母のDNAで色気づいた浅井青年は「成るように成る」と進化させて用いている。70年安保の一時期は「成るようにしか成らない」と虚脱感が露れた。扇ひろ子唄う「新宿ブルース」が流れていた。また近頃はNHK大河ドラマの科白で「ならぬものはならぬ」バージョンもあるが、そんなに可愛い目を吊り上げる必要はないのにナア。 大したことない私のここまではその途のりで、とくに見えなくなってからというもの、世間様や家族の者には大した世話になりっ放しだ。換言すれば迷惑を掛け通しである。有難く、そして申し訳ない気持ちで一杯だ。 私は沢山の方に支えられて今をいる。この先は知らない。当り前だが不安はある。秋になったら花は無理して咲かずともよい。デイジー「日本人の死生観」より。そして、成るようになる。 縁起の七が並んだ今月は何かいいことがありそうな気がする。私も日々成すべきをきちんと成そうではないか。楽天的との見方もあるが今年の東北楽天は調子いいし・・・。私だって少しは社会に役立ちたい。 (おわり) ○利用者のみなさんより、俳句の投稿いただきました。 ・湯上りや 母の手掛けし 古浴衣  萩野《はぎの》 けい さん ・ドクダミの 靴も混じるや 学習塾  熊谷《くまがい》 幸二郎《こうじろう》 さん ・青嵐《あおあらし》 うなじくすぐる 坂の上  宇佐美《うさみ》 咲子《さきこ》 さん ○三種町《みたねちょう》の武田金三郎《たけだきんざぶろう》さんより投稿いただきました。 秋田県一短い小説・その十二 惨劇の予知 初めて自転車に乗れるようになるのはたいてい小学一年生になるころだろうか。その記憶は井上晴道《いのうえはるみち》が四十二歳になる今でも鮮明に残っている。 補助車を取り、両足をペダルに乗せて一回転すら漕がないうち、背骨がクネクネとくねってすぐ片足をついてしまったものだ。それから二メートル五メートルとペダルを回転させることができるようになる。 こうなると側溝に落ちないように、電柱にぶっつからないように、とそればかりに全神経を集中させていた。ぶっつかるぞぶっつかるぞ、と心の中で予知しながら、なのにハンドルを切らず、ブレーキすらかけないでぶっつかりにいく。そうして『うん、やっぱりぶっつかった』、と妙に納得するのだ。 こうした心理を惨劇の予知と言うそうだ。晴道は新聞のコラムで知った。コラム氏は癌を患っている。告知された当初、彼は罹患している癌に関する知識を徹頭徹尾頭に叩き込んだ。手術後の経過はむろん、予後が死であることも。そうして事態は予知通りに進行していく。 「うん。想定どおりの進行だ」 コラム氏は節目節目に納得して受け入れるのだ。そしてふと気がついた。これって惨劇の予知というやつではないのか。子どもであった昔、初めて自転車を覚えたとき、電柱にぶっつかるぞぶっつかるぞ、と予知しながらハンドルも切らずブレーキもかけずぶっつかりにいく。そして『やっぱりぶっつかった』、と妙に納得していた。 癌になった今またそっくり追体験しているあの心境。予知したとおり癌は進行していき、やがて終末をむかえる。だがどうもおかしい。これではまるで自ら癌を導いているのではないのか。しかも納得済みで。これは病気を受け入れて達観(たっかん)している心境とは別物だ。子どもであった昔、惨劇の予知を乗り越えた向こうには溢れるほどの希望があった。自転車を覚えたらあそこにも行くぞ、あそこよりもっと先にだって行ってみせるぞ。 なのに今は惨劇の予知を無為に辿るだけ、子どものころあった溢れるばかりの希望のひとかけらさえ持ち合わせていないではないか。予知できる終末までの時間、これに優る貴重なものはないというのに。やりたいこと、やらねばならぬことがある。これをやることだ。すると何かに繋がる。あるいは託せる。これは希望だ。コラム氏はこう結んでいた。 晴道もまた小学一年生の春、側溝に落ちたり電柱にぶっつかったりして自転車を覚えた。コラム氏が言うように、自転車を覚えたらあそこにも行ってやる。あの向こうにだって、と溢れるばかりの夢があった。なのに大人になってからこの年齢まで漫然(まんぜん)と生きてきている。それも結婚すらしないまま。 いつとはなしに身の丈に合わせて描いてきた自画像をなぞるようにだ。「これって惨劇の予知そのものではないのか」 晴道は新聞から顔を上げて呆然と独りごちる。 ○レシピコーナー 最後に、ご利用者様からのご希望によりこのコーナーにて料理レシピをお届けします。 今月は、茗荷を使った簡単レシピをご紹介します。 ・オクラと茗荷の炒め物 ささっと出来るのであと一品って時にお勧めです。 材料(2人分) オクラ  10本 茗荷(綺麗にした状態で)  100g 酒  大さじ1 ごま油  大さじ1/2 醤油  小さじ1/2〜1 和風顆粒だし  小さじ1/2 塩  ふたつまみ 作り方 @オクラは板ずりをしてから斜め切りに茗荷は大きさによって縦半分もしくは4分割にする。 Aフライパンにごま油と塩を入れ火にかける。 Bピチピチ音がしてきたら茗荷を加えて少ししんなりするまで炒める。 Cしんなりしてきたらオクラを加え1分ぐらい炒める。 D酒・和風だしを加えオクラから粘り気が出てきたら醤油を加えひと混ぜしたら出来上がり。 コツ、ポイント 和風だしには塩分があるものもあるので最後の醤油は味をみて加減してください。 ・切って5分!ピーマンとミョウガの胡麻和え もう一品欲しい時!夏に美味しいピーマンとミョウガを生のまま切って和えるだけ♪クセになるさっぱり絶品の副菜ですヨ。 材料(4人分) ピーマン  3こ ミョウガ  1つ 調味料 白すりごま  小さじ2 マヨネーズ  小さじ1 めんつゆ(2倍濃縮)  大さじ2 しお  ひとつまみ さとう  小さじ1 しょうゆ  小さじ1/2 作り方 @ピーマンを半分の長さで千切りにします。ミョウガも根元をとって、千切りにします。 A調味料を全てボールで混ぜ合わせておきます。 Bボールにピーマンとミョウガ、混ぜ合わせた調味料を入れて混ぜます! C盛り付けて完成。 コツ・ポイント とにかく細い方が味がよく絡みます。胡麻和えの調味料は先に混ぜ合わせておくと、だまだましません? ・茗荷・大葉が爽やか♪ささみの胡麻味噌マヨ 淡泊なササミが濃厚ゴマ味噌マヨでコク旨?みょうがと大葉の香りが味のアクセントに♪火を使わずに簡単に出来ちゃいます。 材料(小鉢で3〜4人分) 鶏ささみ  3本(200g強) みょうが  3本 大葉  5枚 合わせ調味料 マヨネーズ  大さじ3 味噌  10g すり胡麻  大さじ1.5 酢  小さじ1 醤油  小さじ半分 作り方 @ささみに大さじ1の酒(分量外)を振り掛けラップに包んでレンジ(500W)で1分半加熱、ひっくり返して更に1分半加熱する。 A粗熱が取れたら手で裂く。キッチンペーパーの上に置き余分な水分を切る。 B大葉を縦半分に切ってから千切りにする。 C茗荷を斜め薄切りにし、更に千切りにする。 Dボールに合わせ調味料を混ぜ合わす。 Eささみを加えて混ぜ合わす。 Fみょうがと大葉も加えて混ぜ合わす。 G出来上がり♪ コツ・ポイント お使いの電子レンジにより、加熱時間は調整して下さい。味噌は合わせ味噌を使用しています。お使いの味噌により塩分量が違いますので、お好みの分量で調整して下さい。醤油は無くても可ですが、加えたほうが味がボヤけないと思います。 以上、「cook pad」掲載記事から抜粋しました。 他に何か、ご希望・ご意見がありましたら、お知らせください。 お待ちしております。