5.おらがた あきてん おらがた かしだし 4月になりました。 4月は、新しいこと、初めてのことが多い月です。「心機一転《しんきいってん》」という言葉も聞かれる月ですよね。 まず、一番先に思いつくのが、入学式。図書館の窓から楽しそうに歩く黄色い帽子の一年生を見かけるようになりました。 「ピッカピッカの一年生」というフレーズがありますが、まさしくその通りです。笑顔も持ち物もまさにピッカピッカなんです。今、私の年代(50歳以上)にピッカピッカの顔をしなさいと言われても、絶対できません。気持ち悪いだけです。たぶん。   点字図書館の駐車場に紅梅《こうばい》(紅の梅)があります。葉に先だって若枝《わかえだ》の節《ふし》ごとに咲く紅色《べにいろ》の花は、ふくよかな香りを漂《ただよ》わせて、今年はそれは見事に咲き誇ってくれました。紅梅色《こうばいいろ》はかすかに紫みを含む明るいピンク色で源氏物語や枕草子でもとりあげていて、平安時代に人気のある色だったそうです。 ただ、紅梅《こうばい》は一月の誕生花です。秋田は3月に入らないと咲かないのに、1月の誕生花とは、こんなとき日本列島は長いなーと感じます。 因みに紅梅《こうばい》の花言葉は「優美な人」です。納得の花言葉です。皆様がこれを読んでいただくころには、この紅梅《こうばい》は散り、桜が咲いていることと思われます。 そこでタイトルが「紅梅《こうばい》」のデイジー図書をチョイスしてみました。   1.「紅梅《こうばい》」津村節子《つむらせつこ》 著 内容 2005年春、癌が発見され、膵臓全摘《すいぞうぜんてき》の手術を受けた夫、吉村昭《よしむらあきら》。癌に冒され、徐々に衰弱していった「夫」は自らの死を強く意識するようになる。一年半にわたる吉村氏の闘病と死を、夫と作家両方の目から見つめ、全身全霊をこめて純文学に昇華させた衝撃作。 2.「紅梅白梅《こうばいはくばい》」曽野綾子《そのあやこ》 著 内容 たった一度の契を結んだ人の、不名誉な戦死という汚名を晴らしたかった山邑《やまむら》ひなは、その死の謎を追った。過酷な状況の中で生きることを余儀なくされた人間の運命を描いた長編。 3.「紅梅《こうばい》」安西篤子《あんざいあつこ》 著 内容 ふた月ぶりで国元に帰ってきた児玉新之助《こだましんのすけ》は、新妻きわに逢えると胸はずませてわが家の門をくぐる。梅屋敷と呼ばれるほどの梅樹《うめき》の多い児玉家は紅梅《こうばい》が盛んであった。花のように端正な時代小説です。 ほかにも、川端康成《かわばたやすなり》、山口瞳《やまぐちひとみ》など「紅梅《こうばい》」をタイトルとした短編著書があります。   もうすでにご存じのことと思われますが、6月に発売される新しいプレクストークについて、お知らせいたします。 プレクストークPTR2、PTN2は生産、販売が中止され、プレクストークPTR3、PTN3となります。形などは違いますが、使用方法は従来のものと大きく違ってないようです。しかし、利用の幅が広がり、使い勝手もよくなったようです。値段も変わりません。  利用者さまから、新しく購入しなければ図書を利用出来ないのか。という質問もありましたが、そのようなことはありません。また、皆様が一番心配されているのは、従来のものが故障したときの事だと思われますが、大丈夫ですのでご安心ください。  今一番懸念されるのは、新しい機種が販売される6月までの間に、やむを得ず急きょ購入しなければならなくなった時だと思われます。 いずれも、ご質問、ご相談がありましたら、お気軽にお電話ください。 貸出係 田中