ひかり ―第21号― 社会福祉法人秋田県社会福祉事業団 秋田県点字図書館 新年のごあいさつ 秋田県社会福祉事業団 理事長 熊谷 淳 昨年4月に事業団の仲間入りし、初めて図書館に足を運んで、点訳図書やテープーデイジー図書などの蔵書が整然と並んでいるのには、大変感動しました。 普段当たり前のように、新聞や本などから情報を得て暮らしていますが、視覚を失った方々に、これに代わる情報源を提供する大切さを改めて認識させられました。また、これらの蔵書が、200名を超えるボランティアの方々の緻密な作業によって、担われていることに、頭が下がりま した。 世界中からニュースがリアルタイムで届き、新刊の図書が相次いで出版されていますので、こうした情報を得たいという要望に応えていくため、点字図書館の果たす役割はますます重要になっていくと思います。ボランティアの方々のご支援をいただきながら、利用者の声に応えられる サービス提供ができるよう、努めていきたいと思います。 事業団は、昨年4月から初めて自前の施設を作って、新しいステップを始めたところですが、今年4月からは、経営組織の抜本的な見直しを進めることにしています。 これまで以上に利用者の声に耳を傾け、時代の変化に対応できるよう、バージョンアップできる1年にしたいと思います。 ご利用者の方からのメッセージ 「夢の途中」  秋田県視覚障害者福祉協会会長 利用者 武田 利美 「PCトーカーを組み込みました。」 パソコンからのこの音声で、わたしの朝の作業は始まります。 メールのチェック、ニュースのチェック、もちろん「サピエ」の新着情報も欠かせません。 思えば子供のころ、ワクワクしながら夢中になっていたテレビのSF人形劇では、人間のような車が話しかけてきたり、危機一髪!空をも飛んでいました。そして今、車の自動運転も可能なとこ ろまで来ています。 そんな中、わたしの難敵《なんてき》はタッチパネル。スマホ。画面はツルツル、まったく掴みどころなし!困惑です。 でも、スマホには夢がありそうです。秋田県視覚障害者福祉協会ではスマホの講習会を開いて、なんとかその夢を掴もうとしています。 はたして、その夢の行方は…? 2016年夏休みの思い出 図書館探検隊より (8月2日、3日、7日に開催されました) ご奉仕活動者のこえ 「ドンマイ精神で」 点訳ボランティア連絡協議会 会長 石山美幸 「連絡協議会、わかち会でやろう!」という提案に全員が乗った。グループ単位での運営がう まくいくのか、不安がないわけではなかったが、「ダメだったら、反省点を次に引き継げばイイ」と、メンバーの雰囲気は前向きたった。グループ全員参加による運営は、正解だったと思っている。 私たちの本分は点訳。そのための連絡協議会である。少しでも効率的に、できれば楽しく運営するに越したことはない。 「次への歩み」 音訳ボランティア連絡協議会 会長グループ月うさぎ 金森 洋子 40年前、図書を必要とする人のために始まった音訳活動。その歩みの中に今、私たちがいる。一冊の図書の完成に、音訳、校正、編集それぞれが個の力で努力している。その厳しさを支えるのは、志を同じくする会員であり、互いに考えを聞きうなずく共有感である。 協議に際しても、根本に会員のためにという認識があり、話し合いの充実がはかられ、一歩前へと歩を進めることができる。 研修への熱意と輝きを感じ、誰かのためにと始めた活動が、自身を照らし、今後の音訳の広がりへつながるようにと思う。 「早1年」 ドットテキスト 代表 佐藤 逸子 ドットテキスト発足以来、1年余りが過ぎました。しかし、当たり前ではありますが、まだまだ手探り状態です。 本によって、処理のし方に疑問が次々に出てきて、本の多様性を改めて実感する日々です。 この未だ迷い多吉テキスト化作業ですが、そのあとの編集作業との効率も考えて、よりスムーズな方向性もめざして、職員の方、他メンバー9名と共に一歩ずつ前に進んでいこうと思います。 「麻の会の製本作業」 麻の会 代表 石川 真知子 麻の会は、現在フ名で活動しています。 会の活動の内、私は月一度の製本作業の日だけ参加しています。 作業内容はおもに、リング綴じファイルへ点訳された書籍の夕イトルや図書館のバーコードのラベルを貼りつけていくことなどです。少し前までは、会の名前の由来になった麻繊維を使用し、手打ち点訳された用紙を一冊の手作りの本として完成させる作業もありましたが、ほとんど無くなりました。 酉年は「とりこむ」年だそうで、新旧の仕事の良い所を取り込み活動したいと思います。 「受賞のご紹介」 ●第64回全国盲人福祉施設大会 ●ボランティア表彰 点訳 久杉 ティ 音訳 栗田 和子 ●鉄道弘済会朗読録音奉仕者表彰 ●朗読録音奉仕奨励賞 音訳 笹尾 美智子 ●朗読録音奉仕グループ奨励賞 音訳グループ フリージア ●秋田県知事表彰 音訳グループ フリージア 作業グループ あいの会 ●厚生労働大臣表彰 点訳グループ わかち会 「秋田県点字図書館奉仕者表彰」 ●理事長表彰 6名 ●館長表彰感謝状 6名 ●館長表彰奉仕活動記念賞 10名 「職員表彰」 ●秋田県知事表彰 社会福祉施設の長及び従事者功労 佐々木 薫 ●第64回全国盲人福祉施設大会 永年勤続職員表彰 田中 和香子 「苦情の申し出」 今のところ苦情はございません。 「編集後記」 27年度中の大規模空調工事により、この夏の図書館内は工事前の夏とは違い、出番の多かった扇風機の姿を見ることなく、快適に過ごせたように思います。 夏のイベント、図書館探検で来館された保護者の方からうわー、涼しい!」との声を聞き、改めて工事前の夏との違いを感じました。 2度目の冬を迎えましたが、あたたかく快適な環境で新年を迎えております。 今年もよろしくお願いいたします。