4.みんなの広場 秋田市の浅井成雄《あさいしげお》さんより投稿いただきました。 「16年の図書借受簿(かりうけぼ)から」 浅井成雄《あさいしげお》(六十代) 一冊目  夏目漱石作 三四郎  漱石没後百年(来年は生誕百五十年)ということで気がつけば、私はまだ「三四郎」を読んでなかった。他に短篇集と併せて借り、これでほぼ全作品がSDカードに揃った。  地方から東京の大学に出て青年が接した学問の世界は新鮮で素晴しいものだったろう。だがこの年令《とし》になって読むと三四郎のウブさばかりが際立つ。二人きりになった美禰子が掛ける謎に気付かないのか答えられないのか。いつの時代も女は一枚上をゆく。この小説はやはり若き日々に読むべき物語だ。 二冊目  吉村昭 作 羆嵐  春から図書館だよりに新コーナー「おらがたかしだし」が登場した。職員の一文だが利用者との双方向通信となって楽しい。掲題の書は鹿角で相次いだ熊の事件を受けてここでタイムリーに紹介された。明治期の北海道開拓部落で六人が羆に喰い殺された実話である。北海道の熊は秋田の月の輪熊と違い大きく獰猛《どうもう》らしい。この本の熊は体長2m70p体重383sだった。二発の銃弾が心臓を撃ち抜いていた。熊を仕留めたあと風が吹いた。荒れる空を熊嵐と呼ぶそうだ。作者の小気味よい文章がこの話を壮絶な物語に仕立てていると思う。 三冊目  ネルケ無方《むほう》著 なぜ日本人はご先祖様に祈るのか  副題は「ドイツ人禅僧が見た不思議な死生観」。無方は法名で、無い《・・》に方《・》向《・》の《・》方《・》と書く。 永六輔、伊藤ユミ(ザ・ピーナツの妹)他、今年も多くの有名人が柩の蓋を閉じた。悲しいとか惜しいといった感情ではない。辛く寂しい。メディアを介して親しんだ同時代人だからだ。  この本で著者は死《・》についてこう教えてくれる。じつは我々は毎日死んでいる。今日の自分は昨日の自分ではない。そして最後に木が枯れるのと同じで、一生を終える。  私は子供時分の遊びを思い出した。砂場に山を作りてっぺんに棒を立てる。裾から少しずつ代わり番こに砂を取り去り、棒を倒した子が負けになる。  枯れるとはこの棒の心境か、とも考えた。同書の「秋になったら無理に花を咲かす必要はない」という文言が印象に残っている。来年の花が準備してる、というのだ。死ぬと無になるのではなく、変化するだけである。そう言えば私も漢字を忘れるようになったな。 (おわり)  皆様にはよいお年をお迎えください。 視覚障害者俳句サークル「千秋句会」さんより俳句の投稿いただきました。 ・小春日や 赤子をあやす 子守唄  萩野 けい さん ・遥かより 人声の来る 月の道  熊谷 幸二郎 さん ・船頭の 唄にほろ酔う 炬燵舟  宇佐美 咲子 さん 三種町の武田金三郎《たけだきんざぶろう》さんより投稿いただきました。 秋田県一短い小説・その五 サンタクロースがやって来た 「あれえーっ、何だこの袋。あれーっ、ゲンコツカリントウだあ。あれーっ、鉛筆も一本入ってるど文雄」 朝早く、文雄は一緒の布団に寝ている弟勇雄の頓狂なはしゃぎ声で起こされてしまった。見ると布団の横に紙袋があって、破いたら勇雄と同じ物が入っている。 「あああーっ分った。二人さサンタクロース来てけだんだ。そう言えば今日が十二月二十四日でクリスマスの日だんでねえが。やっぱりサンタクロースが来てけだんだあ」 「ああ、んだんだ。きっとサンタクロースだよそれって」 二人より早く起きていた姉の満子が弾んだ声で言うと、もう一人の姉久美も同じことを言っている。すると母や長男健介までが「そうだそうだ」と唱和し、台所の方がにわかに賑やかになった。 その日学校に行ってみると、クラスのあっちこっちでサンタクロースからどんなプレゼントを貰ったかについて弾んだ話が交わされていた。聞いているとゼンマイでプロペラが回る飛行機、スケート、着せ替え人形や毛糸の帽子と手袋、クレパスクレヨンなどの他、カバヤキャラメル、缶に入ったドロップ飴、ペコチャンポコチャンミルキー飴など次々と出てくる。文雄は驚いた。 「そうか、金持ちの家には金持ちのサンタクロースがやってくるけれど、貧乏な家には貧乏なサンタクロースしかやって来ないんだ」 文雄はしんみり悟った。彼は自分が貰ったプレゼントを言わないまま学校から帰った。文雄が小学三年生のあの日、この家に初めてサンタクロースがやってきた光景を、彼は古希を過ぎた今でもはっきりと思い起こすことができる。 「ねえねえお爺ちゃん聞いてよ」 じきに冬休みになるある日の午後、小学三年生の孫春風が学校から帰るなり文雄に訴えるように言った。話はこうである。サンタクロースにボクはあれをお願いしている。私はあれを、などとクラス中で騒いでいたら、良太が横からいきなり言った。 「お前等、まだサンタクロースが本当にいると思ってるのか。あれは父さんや母さんがお前等が眠っているうちに置いてるんだ。俺なんか母さんだけだから、お前等みてえな高いプレゼントは貰えねえんだ。俺の前でごちゃごちゃ自慢するんじゃねえよ」 文雄は良太ばかりか彼の母親すら知っている。何しろ一クラス十一人しかいない小規模校なのだ。 「あいつ乱暴者だからサンタクロースだって行くはずないんだよね爺ちゃん」 孫の春風が言った。春風には両親がゲーム機を用意していること、文雄は知っている。文雄は同じゲーム機を買ってイブの深夜を待った。良太母子の町営住宅のドアに結わえつけておこうと思う。乱暴者だってサンタクロースはちゃんと行ってくれるのだ。 最後に、ご利用者様からのご希望によりこのコーナーにて料理レシピを お届けします。 今月は、年末の忙しい日々に簡単にできるレシピをご紹介します。 年末には、ミンチ入りねぎ焼き 年末の忙しい日々、ねぎを刻むだけで、あとは材料を混ぜてフライパン  で焼くだけ〜。いかがですか? 材料(1枚分) 生地  お好み焼き粉  100グラム     卵  1個     水  120グラム 九条ねぎ  3本 合挽きミンチ  50グラム サラダ油  小さじ2 味ポン  適量 作り方 @九条ねぎは、小口切りにする。 Aボールに生地を入れ、泡立て器でまんべんなく混ぜる。 BAに@と合挽きミンチを入れ混ぜる。 Cフライパンを熱し、サラダ油を入れ、Bの生地を丸く流し込む。 D両面をきつね色になるように焼き、焼き上がったら皿に盛りつける。味ポンにつけてどうぞ。 ☆コツ、ポイント ソースは、お好みでお好み焼きソース・マヨネーズなど塗ってください。今回は、あっさりと食べたくて味ポンにしました。 かぼちゃとしめじのお手軽シチューグラタン ほっくほく♪かぼちゃのクリーミーグラタン。シチューの素を使って作るから、ホワイトソースいらずでとっても簡単! 材料(2人分)   かぼちゃ  200g   しめじ  1/2袋(50g)   鶏もも肉  100g   たまねぎ  1/2個   ホワイトシチューの素  40g   牛乳  250ml   塩  少々   こしょう  少々   ピザ用チーズ  80g   サラダ油  大さじ1/2   パセリ(みじん切り)  適量   作り方 @今回のおすすめ食材は、かぼちゃです。 Aかぼちゃは種とわたを取り、5oの厚さのくし形切りにし、ラップをして電子レンジ(600w)で2分加熱する。 B鶏もも肉はひと口大に切り、たまねぎは薄切り、しめじは石づきを落として小房に分ける。 Cフライパンにサラダ油を熱し、Bを炒め、塩、こしょうをふり、鶏肉の色が変わったら牛乳を加え、沸騰直前で火を止める。 DCにホワイトシチューの素を加えて溶かし、とろみがつくまで弱火で煮て、Aのかぼちゃを加えて混ぜ合わせる。 EDをグラタン皿に流し入れ、ピザ用チーズをのせ、オーブントースターで7〜8分、焼き色がつくまで焼き、パセリをふる。 ☆コツ・ポイント かぼちゃは薄く切って、レンジで加熱しておくと、煮込まず時短になります♪ 以上、「cook pad」掲載記事から抜粋しました。 他に何か、ご希望・ご意見がありましたら、お知らせください。 お待ちしております。