5. おらがた あきてん  秋田県点字図書館では、8月2日・3日・7日に、小学生を対象とした「夏休み点字図書館探検」というイベントを開催いたしました。今月は、その「夏休み点字図書館探検」について掲載いたします。 「夏休みだよ!集まれ!ちいさな『あきてん探検隊』」  今年の8月、秋田県点字図書館では初めての試《こころ》みとして、「夏休み点字図書館探検」という小学生を対象としたイベントを開催しました。  そもそも、なぜ夏休みに「点字図書館探検」というイベントをやろうと思ったのかというきっかけを辿《たど》ると、話は1年前にさかのぼります。秋田の小学生の夏休みも終盤に入ろうかというお盆休みをすぎたあたりから、「点字について教えてください」「点字図書館に行ってもいいですか?」といった小学生からの電話での依頼が相次(あいつ)いだのです。聞けば、秋田県内の小学校4年生は、国語の時間に点字について勉強するそうで、教科書には点字一覧表も載っているのだそうです。来館した小学生たちの点字を学ぼうとする好奇心 いっぱいの目はとてもキラキラとしていて、まぶしく感じられました。  点字のこと、点字図書館のことをもっと知りたいと思っている子どもたちが秋田にはたくさんいる。子どもたちが点字や点字図書館のことを知り、それを周りの友達や大人に伝えたりすることで、目の不自由な人のことをもっとみんなが知ったり、目の不自由な人たちが世の中でもっと暮らしやすくなる方法をみんなで一緒に考えたりするきっかけができるかもしれない。そんなきっかけを作りたい。そういった思いで、今回のイベントは計画されました。  いざ当日。2日(火)の午前、3日(水)の午前、7日(日)の午前と午後、計4回の点字図書館探検には、あわせて31名の探検隊員(と、その付き添いのご家族のみなさま)にご参加をいただきました。ちいさな探検隊員たちは、集合ののち、探検隊長(館長)のお話を聞き、「探検の地図」を見ながら館内を探検。その後、「点字で名前シールを作る」「点字の暗号を解読する」「解読した暗号を音訳する」「点字で書かれた文字を読んで同じ題名の本を探す」という4つのミッションに挑戦しました。自分の名前を点字で打つところまではわりと簡単にできたようでしたが、そのあと点字で書かれた文章を解読したり、それを読んで録音したりするのはたいへんだったようす。それでも根気強くがんばり、最後には参加者全員がすべてのミッションをクリアし、全員が探検成功の証である「秋田県点字図書館探検隊員証」を手にすることができました。  点字をはじめて知った子どももいれば、探検が終わってからも隊長(館長)にいろいろインタビューをしていく子どももいました。がんばる力を見せる自分の子どもの姿を目の当たりにして、頼もしそうに目を細めるご家族のみなさん。中には、お父さんやお母さんのほうが点字を打つことに夢中になる場面も…。「点字図書館探検」というイベントを楽しみつつも、これからの探検隊員のみなさんの生活や学校の勉強の中に、点字図書館で学んだことが少しでも何かのお役に立つことがあるのならば、そして探検隊員の子どもたちの知識や行動が、これからの目の不自由な方の生活にちいさな明りを灯す存在になってくれたら、本当に嬉しいなあと思っています。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。