5. おらがた あきてん おらがた かしだし  早いもので、7月に突入します。7月と言えば七夕ですね。そこで、皆さんご存知でしょうが、七夕伝説をご紹介します。 織女牽牛伝説《しょくじょけんぎゅうでんせつ》 むかしむかし、天帝という神様が星空を支配していたころ、天の川の西の岸に、織女《しょくじょ》という天帝の娘が住んでおりました。織女《しょくじょ》は機織《はたお》りがたいへん上手で、彼女の織った布は雲錦《うんきん》と呼ばれ、色も柄も美しく、丈夫で着心地も軽い、素晴らしいものでした。 一方、天の川の東の岸には、牛飼いの青年、牽牛《けんぎゅう》が住んでおりました。牽牛は、毎日、天の川で牛を洗い、おいしい草をたべさせたりと、よく牛の面倒をみる、働き者でした。 天帝は、くる日もくる日も、働いてばかりいる娘を心配して、娘の結婚相手をさがすことにしました。そして、天の川の向こう岸に棲む牽牛をみつけると、二人を引き合わせ、 「おまえたち二人は、まじめによく働く、牽牛よ、わしの娘、織姫《おりひめ》と夫婦《めおと》にならぬか?」 牽牛は恐縮したようすで、 「天帝様、私のような者には、夢のようなお話でございます。ありがたくお受けさせていただきます。」 織姫も、働き者の牽牛をたいへん気に入り、二人はめでたく夫婦となりました。 ところが、一緒に暮らすようになると、二人は朝から晩まで天の川のほとりでおしゃべりばかりをしています。 これを見た天帝は 「おまえたち、そろそろ仕事をはじめたらどうだ?」 といましめますが、牽牛と織姫は 「はい、明日からやります」 と答えるばかりで、いつになっても仕事を始めるようすがありません。 織女《しょくじょ》が布を織らなくなってしまったため、機織《はたお》り機《き》にはホコリがつもり、天界にはいつになっても新しい布が届きません。また、牽牛《けんぎゅう》が世話をしていた牛たちも、やせ細って、つぎつぎに倒れてしまいました。 業を煮やした天帝はとうとう、二人を引き離し、一年に一度、7月7日の夜だけ、天の川を渡って、会うことを許しました。 今でも二人は、7月7日に会えるのを楽しみにして、天の川の両岸でまたたいているとのことです。 (アストロアーツ星空ガイドから) 改めて、読むとなんとも複雑な気分になりました。子供にはあまり教えたくないお話です。わたしはずっと織姫と彦星は事情があって離れ離れになっているんだ、大人の事情だ。と考えてました。 小さいころは、一年に一度しか会えないなんて、かわいそうだと、健気《けなげ》に笹の飾りに会えるといいねなんて、書いてましたよ。(健気ですねぇ、かわいかったですねぇ) よく考えたら、君たち自業自得じゃん! そもそも、君たちなんで仕事しなくなったのさ!とつっこみたくなります。よっぽどたのしい新婚生活だったのでしょうね。うらやましい。 そこで、遠距離恋愛にまつわる小説を職員一同に捻《ひね》り出してもらいました。 「エンキョリレンアイ」小手鞠《こでまり》るい 著 「きみの名は」菊田《きくた》一夫《かずお》 著 「冷静と情熱のあいだ ROSSO《ロッソ》」江國《えくに》香織《かおり》 著 「冷静と情熱のあいだ BLU《ブリュ》」辻《つじ》仁成《ひとなり》 著 「ショートカット」柴崎《しばさき》友香《ともか》 著 ほかにも、人気時代小説「居眠り磐音《いわね》」などもある意味遠距離恋愛ではないでしょうか。 いずれもお貸しできます。お問い合わせください。 たまには、キューっと切ない気持ちになるのもいいですよ。