4.みんなの広場 秋田市の浅井成雄さんより投稿いただきました。 「 きみは何を成したのかね 」 浅井 成雄(68才) CD一枚は軽い。ですが、そこに収まったデイジー図書「孤高」(孤独の弧に高い)(川村二郎 著)は私には重いものでした。この本は、国語学者 大野晋博士八八年の生涯を描いています。 大野は大正八年、東京下町で生まれました。旧制一高に入るとある教師との出会いから万葉集に親しむ。そんな中で「日本人とは何か」が彼の関心事となりました。やがて日本語の起源を一生のテーマに学究の道を歩むのです。 本書によると大野の学問的態度は厳しかったとあります。自分に対しては勿論ですが、それが他人にも向けられたので敵は多かったそうです。ムキになってしまうと大野は笑う。一方で謙虚さも持ち合わせて、筋が通れば若い人の意見を聞きました。 そして長年の歩みの集大成が、亡くなる八年前に上梓した「日本語の形成」です。南インドの言語と日本語の古語の比較研究です。 じつは私も高校時代英語と古文の先生の影響を受けコトバに興味を持つようになりました。そこで文学部に進み、言語学を学びました。 言語学の名称はいかめしいですが方言もその対象です。余談ですが、私は秋田に来てナマハゲが発する「なぐごはいねが」の鼻濁音に感心した覚えがあります。 さてそのような勉強の経緯から、と言っても孤高の山裾をさ迷っただけですが、大野学の重さはよく分かります。と同時に孤高の頂きから「きみは何を成したのかね」と問いかける声が重いのです。 ところで大野の著作には学術書だけでなく一般向けも多い。考える力、判断する力の基本は国語力という信念の下、国語教育を始め日本語の啓発に力を注いだのです。 その一冊にベストセラーの「日本語練習帳」があります。例えば、理由をあらわす何々なのでと何々だからの使い分け問題に答えて言葉力を向上させます。これにはデイジーもあります。 「孤高」の著書は同書で大野に学者となった訳をこう語らせています。 「分からないことが出てくる、調べると分かるようになる、これが嬉しい、この繰返しで学者になった。」 知る喜びは私たちも同じです。また、知れば知るほど自分が何も知らないのを知ります。 学問っていいもんですね。秋田県点字図書館ありがとう。(おわり) 視覚障害者俳句サークル「千秋句会」さんより俳句の投稿いただきました。 ・草の芽の 日増しに伸びる 窓の下 萩野 けい さん ・懐メロの 東海林太郎や 梅の風 熊谷 幸二郎 さん ・畑おこす 合間合間に 新茶汲む 宇佐美 咲子 さん 「勝見からの川柳三句」佐藤勝見さんより投稿いただきました。 ・愛情を 確かめ合って いる喧嘩 渡辺 なお子 さん 仲良しを見せつけているのだろう。夫婦げんかは犬も食わない。 ・美味いもの 食べる時だけ 意見合う 小野 真澄 さん そんな時ならまだ良いが、そんな時だけとは聞き捨てならない。 ・アノアレで 今日も一日 暮れました 鈴木 祐里 さん 一緒になって何年経ったのかな。仲が良いのか面倒くさいのか。 三種町の武田金三郎さんより投稿いただきました。 「春夏秋冬読書の秋」  『読書の秋』というけれど、高齢になって暇な視覚障害者では春夏秋冬が読書の秋みたいになってしまいます。昔はよく新刊書を買い求めては点字図書館で音訳していただいていましたが、オンライン化とかサピエ図書館とか、利用しやすくなりましたのでもっぱらこちらからダウンロードして読むようになっております。するとどうも飽きてくることがあります。人間とはわがまま且つ贅沢なものです。  私は主に小説を読むのですが、こんなときエッセイに手を伸ばすことにしております。最近になって狐狸庵先生こと、遠藤周作のエッセイを読んだり、池波正太郎のものを読んだりしております。エッセイでも同じ作者のものを面白いと思って続けて読みますとやはり飽きてきてしまいます。  それでまた小説に戻ったり。年齢のせいか、昔読んだものを再読することが多くなりました。津村節子の作品はどれを読んでも私には全ていいです。夫である吉村昭の長編は読んでいないのですが、彼の短編は好きです。二十歳前後の一時期、井上靖にほれ込んで「風と雲と砦」は何度繰り返し読んだことか。彼の現代小説に登場する人物たちは男であれ女であれ、個性が同じになってしまっているので読まなくなっていましたが、最近また思い出して「オロシヤ国酔夢譚」「崑崙の玉」を読み、今は「風林火山」を読んでおります。昔読んだ「蒼き狼」も再読しました。  こうして読んでいますと、やっぱり昔の作家たちは本物であったなあ、と思い知らされます。それにしても遠藤周作はおかしな作家です。「沈黙」や「深い川」など長大且つ重厚な作品を書き続けていた裏で、狐狸庵先生なるあだ名でちゃらんぽらんとも言えるエッセイを書き続けていたのですから。でもこのエッセイ、ちゃらんぽらんの中に必ずドキリとさせる真理があるから困ります。  読書に飽きたとき読むのに子供向け作品も実にいいものです。「トムソーヤーの冒険」「ハックルベリー・フィンの冒険」「小公女」「イワンのバカ」「岩窟王」「王子と乞食」。あとは日本の昔話や民話なども。これ等は大人が読んでも楽しいです。となると私も徐々に子どもに返って行く年齢に到達してきていることになるのでしょうかねえ。まあいいけれど。 次に、ご利用者様からのご希望によりこのコーナーにて料理レシピをお届けします。 アスパラの美味しい季節になってきました。「cook pad」に掲載されているアスパラメニューで春の味覚を堪能してみませんか? ○アスパラのオリーブオイル焼き アスパラ本来の甘さとオリーブオイルの香りがよく合います! 材料(2〜3人分) アスパラ  7〜8本 オリーブオイル  大さじ1 クレイジーソルト  少々 パルメザンチーズ  お好みで 作り方 アスパラの硬い部分を切りおとし、下はピーラーで皮をむきます。 フライパンにオリーブオイルをしき、転がしながら柔らかくなるまで焼きます。 柔らかくなったら、クレイジーソルトで味をつけてお好みでパルメザンチーズをふりかけます。 盛り付けて出来上がりです。 ポイント パルメザンチーズはフライパンの中で入れるとパリッとします。盛り付けてからかけてもいいですよ。 ○アスパラと卵のツナマヨサラダ アスパラ1束でボリュームたっぷりのサラダができます。 材料(4人分) アスパラ  1束 卵  2個 マカロニ  60g ツナ缶  1個 マヨネーズ  大さじ2 マスタード  小さじ1 塩  適量 胡椒  適量 砂糖  ひとつまみ 作り方 マカロニを茹でる。アスパラは斜めに適当な大きさに切って茹でる。 卵はゆで卵にし、1センチ角くらいに切る。 ボウルにマヨネーズ、マスタード、塩、胡椒、砂糖を入れてまぜ、とツナを入れて混ぜ合わせて出来上がり! ポイント マスタードはお好みの量でお召し上がりください。 以上、「cook pad」掲載記事から抜粋しました。 他に何か、ご希望・ご意見がありましたら、お知らせください。 お待ちしております。