3.今月のオススメ図書 2019年第161回芥川龍之介賞は今村夏子著「むらさきのスカートの女」、直木三十五《なおきさんじゅうご》賞は大島真寿美《おおしまますみ》著「渦《うず》 妹背山女庭訓魂結び《いもせやまおんなていきんたまむすび》」でした。そこで今月は受賞された2名の作品を紹介します。ぜひご利用ください。 今村夏子著 1 むらさきのスカートの女(芥川賞) デイジー版 内容 近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために〈わたし〉の職場で彼女が働きだすよう誘導する。『あひる』、『星の子』が芥川賞候補となった話題の著者による待望の新作中篇。 2 あひる 点字版 デイジー版 内容 あひるを飼うことになった家族と学校帰りに集まってくる子供たち。一瞬幸せな日常の危うさが描かれた「あひる」。おばあちゃんと孫たち、近所の兄妹とのふれあいを通して、揺れ動く子供たちの心の在り様を、あたたかくそして鋭く描く「おばあちゃんの家」「森の兄妹」の3編を収録。 3 星の子 点字版 デイジー版 内容 中学3年の少女は、出生直後から病弱だった。娘を救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、少しずつ家族のかたちを歪《ゆが》めていく…。第39回野間文芸新人賞受賞。 大島真寿美《おおしまますみ》著 1 渦《うず》 妹背山女庭訓魂結び《いもせやまおんなていきんたまむすび》(直木賞) デイジー版(合成音) 点字版製作中 内容 江戸時代、芝居小屋が立ち並ぶ大坂道頓堀(《おおさかどうとんぼり》。虚実《きょじつ》の渦《うず》を作り出した、もう一人の近松《ちかまつ》がいた…。浄瑠璃《じょうるり》作者・近松半二《ちかまつはんじ》の生涯を描いた、著者初の時代小説。『オール読物』連載を単行本化。 2 モモコとうさぎ 点字版 デイジー版 内容 モモコ、22歳。就活に失敗して、バイトもクビになって、そのまま大学卒業。もしかして私、誰からも必要とされてない? 寄るべなく放浪を重ねるモモコが行き着く先は─。現代を生きる若者の、憂鬱と活路を描く青春放浪記。 3 あなたの本当の人生は デイジー版 内容 ジュニア小説の女王様と呼ばれる森和木《もりわき》ホリー、その秘書・宇城圭子《うしろけいこ》、担当編集者の助言で森和木ホリーの内弟子となった國崎真実《くにさきまみ》。「書く」ことに囚われた3人の女たちの運命は…。『別冊文芸春秋』連載を単行本化。